
こんにちは、「旬果びより」のリサです
秋が深まり、風の冷たさに冬の気配が混じる季節
そんなときこそ、果物にも深みを求めたくなります
今回お届けするのは、季節の麗しさをぎゅっと閉じ込めたような梨――
新興梨(しんこうなし)
日本梨には、みずみずしい「幸水」、まろやかな「豊水」、さっぱりとした「二十世紀」など、いくつもの名品があります
その中で、新興梨は「晩秋~冬の梨」として、長く楽しめる特別な存在
そして近年、DNA解析の仮説に基づいて「二十世紀」と「天の川」の交配品種ではないか、という説が取り沙汰されています
今回はその仮説も含めながら、新興梨の特徴、旬、産地、楽しみ方、美容メリットまで、たっぷりと語ります
梨好きなあなたに、「まだ知らない梨」の扉を開く時間をお届けしたいと思います
新興梨 の特徴
分類:梨
品種:新興梨
伝統と仮説が交錯する晩生の赤梨
新興梨は、日本梨(ナシ属・日本系)に属する赤梨系の品種です
従来は、「二十世紀」と「今村秋」の交配とされてきましたが、最近では「二十世紀」と「天の川」の交配である可能性が遺伝子解析で推定されているという説があります
この説を採るならば、新興梨は「二十世紀」という名門品種の血を受け継ぎつつ、天の川の風味を加えた存在、というロマンを感じさせます
果実そのものの姿は立派で、1個あたり350〜500g前後になることも。形はやや扁平(平たい楕円形)で、果皮は黄褐色または黄赤褐色
熟すと落ち着いた色味と艶を帯び、美しい見た目となります
食感は非常に硬めで、梨らしい「シャキシャキ」「サクッ」という歯ごたえが際立ちます
これは、梨の中でも石細胞(硬い細胞の集まり)がやや多めであることと関連していると考えられます
味わいは、その硬さの中に、甘みと酸味の絶妙なバランス
まったく甘さだけを押すわけではなく、酸味が後味をきゅっと引き締めてくれる、いくらでも食べられてしまうタイプです
追熟することで酸味が和らぎ、甘さがまろやかに変化することも楽しみの一つです
旬の時期
10月の深まりとともに現れる、冬の梨
新興梨の旬は、例年10月下旬~12月頃とされています
夏梨が消えていった頃からゆっくり市場に姿を現し、冬前までその存在感を保ちます
他の梨が店頭から消えがちな晩秋~初冬の時期に、新興梨はまるで灯火のような存在
その貯蔵性の高さゆえ、冷蔵保存すればお正月頃まで十分楽しめるとも言われます
夏・秋の梨行脚を終えた後も、もうひとつ梨を楽しみたいあなたにとって、新興梨は冬の梨の希望
産地はこちら
新潟の発祥から、長野・鳥取へ広がる道
新興梨は発祥の地、新潟県がその名を伝統に刻んでいます
そこで育まれた品質と風味は、各地に広まり、今では長野県や鳥取県でも栽培が見られます
🏔 新潟県
原点としての存在
昼夜の寒暖差が大きく、味の濃縮が促される環境
さらには雪解け水や水資源にも恵まれ、梨栽培に最適な地域として支持されています
🍏 長野県
山間部の涼しい気候が梨の成長をゆっくり支え、歯ごたえを保ちつつも甘みが乗る
硬さと甘みの対比を強く出せる、リサ好みの梨が育ちやすい地だと感じます
🌾 鳥取県
二十世紀梨で知られる地域でもあり、梨づくりの技術が進んでいます
新興梨は、鳥取の気候と水資源のもとでもしっかり育ち、みずみずしさが魅力です
それぞれの土地で育つ新興梨には、微妙に個性が違う味わいがあります
産地巡りで味比べをするのも、フルーツ旅の醍醐味ですね
他品種との比較
硬さと酸味、個性で際立つ新興梨
| 品種 | 甘さ | 酸味 | 食感 | 果汁 | 保存性 | コメント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 新興梨 | 控えめな甘味 | キリッとした酸味 | シャキシャキ強 | 程よく潤い | 非常に高い | 締まりがあり、冬まで楽しめる |
| 幸水梨 | 強い甘味 | ほぼ酸味なし | なめらか柔らか | 多め | 低め | ジューシーで人気 |
| 豊水梨 | 甘味豊か | 程よい酸味 | サクサク軽め | 多い | 中程度 | バランス型の代表 |
| 二十世紀梨 | 控えめな甘味 | 爽やかな酸味 | シャリッと繊細 | 比較的多 | 中~やや高 | 青梨系の王道風味 |
| 新高梨 | 濃厚甘味 | 弱め | 柔らかめ | 非常に多 | 高い | 豪快な甘みと保存力が魅力 |
この比較から見えるのは、新興梨の立ち位置:
「甘さで攻めるタイプ」ではありませんが、「酸味」「硬さ」「長持ち力」で光る存在
他の梨が消える晩秋から冬にかけて、力を見せる“締めの梨”と言えるでしょう
購入時には以下のポイントをチェックしてください♪
紫苑のおすすめの食べ方
厚切り×冷やしが王道。+αのハーモニーも
梨本来の魅力を味わうなら、やはり冷やして大胆厚切り!
冷蔵庫でよく冷やしてから、皮をむいてザクッと切る。
その音と口いっぱいに広がる甘酸っぱさが、至福のひとときです
さらにひと工夫するなら、こんなアレンジもおすすめ:
🍴新興梨と生ハム&ヨーグルトのブーケ仕立て
1️⃣ 新興梨をやや厚めにスライス
2️⃣ その上に生ハム(プロシュートなど)をそっと置く
3️⃣ 水切りヨーグルトを少量添えて、オリーブオイルと黒こしょうをひとふり
甘み・酸味・塩気・まろやかさが重なり合って、フルーツ×前菜の優雅な一皿に
ワインにも合う味わいなので、食卓がちょっと華やぎます
他にも、梨シャーベットにしたり、梨ソースにしたり、梨サラダのアクセントにしたり
新興梨の硬さと酸味があるからこそ、味がぼやけず引き締まるのが面白いところです
美容と健康にうれしい効果
シャキシャキが、体にもやさしい意味を持つ
新興梨には、美味しさの裏に嬉しい栄養もいっぱい
- 水分+食物繊維:
体内の水巡りを促し、腸にやさしい - カリウム:
塩分を排出して、むくみ予防に - 有機酸(リンゴ酸・クエン酸など):
疲労回復や食欲の促進 - 低脂肪・低カロリー:
おやつ代わりにもぴったり
甘さ控えめで酸味がある性質のおかげで、満足感がありながらも軽やかに食べられる梨
私のようにフルーツ好きで、でも体も気になる人にとって、ちょうどいい“ごほうび”です
保存と食べごろのポイント
保存のポイントを押さえて、最後まで美味しく
- ひとつずつキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて野菜室へ
- 他の果物(特にエチレンガスを出すもの)とは別に保存
- 2〜3時間冷やしてから食べると、硬さと甘さが最も引き立つ
追熟させたいなら常温で1〜2日
ただし、置きすぎると硬さが落ちるので要注意
リサのひとこと

季節をまたぐ果実、新興梨と旅する時間
新興梨は、秋と冬をつなぐ梨の物語
その硬さ、甘酸味、保存力――
どれをとっても“名脇役”ではない存在感があります
最後まで読んでいただきありがとうございます
交配の仮説を思えば、二十世紀と天の川が出会って生まれたかもしれない、新興梨という名前も美しく響きます
「もしその説が正しければ…」と想像しながら味わうと、果実との対話がもっと楽しくなる気がします
“旬果びより” を通して
少しでも新しいフルーツとの出会いがあったら
嬉しいです♪
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